The English version of the “Scrum Inc. Registered Agile Testing” training course is now available!
2024.10.09
2024.10.01
ワーキングアグリーメントは、スクラムチーム、特にリモートチームやハイブリッドチームにとって必要不可欠です。ワーキングアグリーメントを使って個人、チーム、組織に明確な期待値を設定することで、環境やタイムゾーンに捉われず、協力しながら仕事をし、オフィスであろうとオンラインであろうと足並みを揃えることができます。ワーキングアグリーメントは関わる人全てのワークスタイルや目標が一致していることを保証します。定期的に見直すことで、チームの適応力を維持し、帰属意識を育み、士気を向上させ、よりスムーズなコラボレーションと紛争解決を可能にします。ここでは、ワーキングアグリーメントキャンバスを使用した効果的な作成方法を紹介します。
キャンバスのダウンロードはこちらからどうぞ(英語版)
新しいチームを立ち上げるときは、まず大きな背景となるチームのミッション(パート3)、役割と責任(パート4)、メトリクス(パート5)から始めることをお勧めします。
これは、「Why(なぜ)から始める 」という考えを要約したものです。スクラムチームがプロダクトの背景にある 「なぜ 」を理解することにより、チームは共通の目的によって団結するだけでなく、ソリューションを創造的に考え、自分の仕事により強いオーナーシップを持てるようになります。
チーム名とモットー(パート1、2)は一番最後に決めるのが理想ですが、既存のチームに新しいメンバーを吸収するような場合は、このパートから始めても問題ありません。
強み・スキル(パート6)、不足・成長機会(パート7)、成功の共有・改善点(パート8)については、自分自身を客観視し、できる限りに自分に正直になることにより、個人とチームの関係性と信頼を深めるためにあります。Scrum Inc. Japanでは、「スクラムをやってもアジャイルにはなれない」とよく言いますが、スクラムをやれば、チームのどこがアジャイルでないかは確実に見えてきます。これらのパートは、その議論を促進し、チームの成功をどのように称え、改善していくかを説明するためにあります。
バリュー(パート9)と規範とガイドライン (パート10)は、価値駆動の文化を築いていくにあたり、特に重要です。スクラムの価値基準はアジャイルな文化の根幹をなすものである一方、会社やチームが大切にする価値観についても考慮する必要があります。例えば、「正直さ」は、スクラムが成功するためには不可欠ですが、スクラムの価値基準の一つではありません。一方で、「正直さ」をあえて明確にチームのワーキングアグリーメントに盛り込みたいと考えているチームはよくあります。
パート10は、一般的にワーキングアグリーメントから連想するもので、どのような規範や行動を奨励したいかを各々が挙げ、グループで議論し、最後に投票によって決定します。チームのワーキング・アグリーメントに含めるものは、10個以下に絞ることをお勧めします。
イベント(パート11)は、各スクラムイベントの詳細を記載する最後のパートです。ここでは、チームがいつ、どこで、誰にイベントに出席してもらうかを明確にします。時には、リファインメントやスプリントレビューなど、チームの外部の人に出席してもらうイベントもあります。
ワーキングアグリーメントは、チームのスプリントレトロスペクティブで再検討し、必要に応じて修正することもできます。特に、チームがパート11のアグリーメントの1つをマスターした場合、それを削除し、別のアグリーメントをその代わりに投票することができます。チームの成長と共にワーキングアグリーメントもアップデートしていくことにより、より良い働き方を常に意識することができます。
もし、こちらのワーキングアグリーメントキャンバスをより良いものにするためのフィードバックがあれば、遠慮なく提案してください。
ブログ原文はこちら:Team Working Agreement Canvas
執筆:Chloe O’Neil