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東京&名古屋で”Digital Innovation Leadership 2018”が開催!

2018.06.29

(執筆:梅澤 友紀、和田 圭介)

日本ビジネスプレス様主催、Scrum Inc.が登壇する

6月20日に東京、6月22日に名古屋で”Digital Innovation Leadership 2018”に参加しました!

東京、名古屋それぞれ併せて400名を超える方が来場し、会場は大盛況でした。

当日の各講演の内容をご紹介します。

 

◆Scrum Inc.のCEO JJ サザーランド氏による

自身の体験をもとに語る「Agile at Scale」

 

ジャーナリスト時代過ごしたイラクでの話やScrum Inc.の支援を受け、企業全体でのアジャイル開発の導入に成功したSaab社やJohn Deere社の事例など自身の経験をもとにわかりやすくお話しいただきました。

特に印象に残ったのは、

「災害が起きたとき、上層部の承認などは必要なく、現場の人が判断して、すぐに動いて問題を解決しようとするのに、なぜ、何もない平穏なときはそれが出来ないのか。」という問いかけでした。

会社が大きくなればなるほど、上層部の承認を取れないと先に進めないことがたくさんあります。

もし、それが日本の発展の妨げになっているのだとしたら、スクラムを導入し、スクラムチームに権限を与えることで、チームが自分たちの判断で仕事をできるようになれば、もっと社会全体が効率的になるのではと思いました。

 

◆デジタルビジネス・ イノベーションセンター(DBIC)代表

横塚 裕志氏による

「あなたが主役 

 デジタルイノベーション・4つの要素」

 

イノベーションに必要な以下4つの要素についてお話いただきました。

・ Digital Transformation

・ Design Thinking

・ Discover Myself

・ Diving Program

デジタル時代である今、あらゆる業務をデジタル化する「Digital Transformation」や生活者視点で課題解決の手段を考える「Design Thinking」は会社全体で取り組む必要があり、組織全体でそれらに取り組むように組織を作り直さなければなりません。

また、「Discover Myself」や「Diving Program」では、担当者自身が、ビジョンを持ち、自分の考えで(「We think」ではなく「I think」)行動に起こすことの重要性をわかりやすく解説いただきました。

お話の中でハッとしたのは、新しいアイデアや意見を述べるとき、私自身が、「I think」ではなく会社やチームとして「We think」と言ってしまいがちということに気が付いたことです。

どうしても保身になったり、会社の強みを生かしたくて「我々としては・・・」なんて話してしまいがちですが、自分はどう思っているのか、生活者としてどのように感じているのか、自分の感覚を伝えないと新しいアイデアは出ないということを気づくきっかけになりました。

 

◆KDDI株式会社

藤井 彰人氏、山根 隆行氏による

「日本企業がデジタル変革を目指すために必要なこと」

 

日本企業がデジタル変革を目指す上で、欧米と日本の文化の違いという考え方の違いについて、説明していただきました。アメリカが、トップダウンで権限移譲型の社会であるのに対し、日本は、合意形成を重視する階層型の社会であり、そのことが、日本のITやイノベーションの発展を妨げています。また、日本のユーザ企業は、アウトソーシングの割合が高く、ITエンジニアを自社で抱えていません。このような状況で、シリコンバレーのようなイノベーションを起こすためには、パートナー企業との連携が不可欠となります。

そうした状況の中、KDDIでは、スタートアップ企業とともに新たな事業共創を目指す事業共創プラットフォーム「KDDI ∞ Labo」を運営し、積極的にパートナー企業の支援をしています。また、IoTや5G時代の新たな事業共創を目的に、2018年夏に「KDDI DIGITAL GATE」を開設し、ユーザ企業が、Scrum Inc.のスクラムコーチやKDDIのエンジニア、「KDDI∞Labo」のスタートアップ企業とともにデザインシンキングやスクラムを活用したビジネス開発ができる環境の提供を開始します。 

詳しく知りたい方はリンク先をご覧ください。

http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2018/05/29/3169.html

 

◆株式会社デンソー

成迫 剛志氏による

「デジタルトランスフォーメーションを担う組織づくり」

100年に一度とも言われる大変革時代を迎えている自動車業界において、どのようにデジタルトランフォーメーションを担う組織を作るのか、デンソーでの取り組み事例をもとにお話しいただきました。

デンソーでは、刈谷本社でも東京支社でもなく、新横浜に独立した、アジャイル開発センターを設立し、デザインシンキングとスクラム開発を中心とするイノベーションを推進されています。スクラム開発に取り組んているチームメンバーの方が、「もう従来の開発手法には戻れない」というポジティブでいきいきとした意見を持っていることが印象的でした。

また、デジタルイノベーションを実現したいなら、ITベンダーが持ってくるデジタルイノベーションを実現するツールのようなものに惑わされず、ユーザ企業自身が考えて、自分自身で変革を実現する必要があるというお話に、来場の皆様も大きくうなずかれていました。

 

◆最後は以下の方々によるパネルディスカッション

「デジタル変革に向けた国内外の既存企業の取り組みにおける成功事例と課題」

モデレータ:永和システムマネジメント 平鍋 健児氏

パネラー :デジタルビジネス・イノベーションセンター 横塚 裕志氏

      KDDI株式会社 藤井 彰人氏

      Scrum Inc. Avi Schneier氏

      株式会社デンソー 成迫 剛志氏

テーマをもとに、「大喜利」のように思いついた方が発言していき共感できるもの・いい話だと思ったものには拍手をするスタイルで、成功事例や課題をお話いただきました。

ディスカッションは大盛り上がりで、パネラーの発言に対し、たくさんの拍手が上がっていました。

なかでも、日本経済の今後の機会についてどう思うか、という質問に対する、Scrum Inc.のAvi Schneier氏からの以下の言葉が印象的でした。

「2011年3月11日の東日本大震災の際、日本の皆様は、救助隊が来る前に、自分たちで瓦礫を片付け、食事を作り合い、助け合われていたことに私は非常に感銘を覚えました。残念なことに、私の国、アメリカでは、災害の際に、そういったことは起こりません。暴動や盗みなどの犯罪が必ず起こります。日本の皆様のような思いやりの精神をもっている国民は世界のどこにもいません。思いやりの精神は、アジャイル開発スクラムにおいて、最も重要な要素です。日本企業の皆様が、従来の階層型な組織を変革し、アジャイル開発スクラムに取り組めば、世界のどの国よりも偉大な成果が挙げられると私は確信しております。」

企業で働く一人ひとりが、チームが、会社全体が、より良くなるためにはどうすればいいかということに対して、多くの気づきを得られる、充実した一日でした。

そして、私自身も日々の仕事を通じて、チームや会社、そして日本がよりよくなるために、変革の第一歩を踏み出そうと改めて思いました。