【開催レポート】変革のリーダーが集うコミュニティイベント、「Agile Leaders Meetup」
2025.10.01
2025.10.01
2025年9月5日 アジャイル・AI 推進リーダーが学び合うコミュニティイベント、「Agile Leaders Meetup」(主催:KDDI Digital Divergence Holdings株式会社/共催:Scrum Inc. Japan株式会社/特別協力:三菱電機株式会社)を開催しました。
Agile Leaders Meetupは、昨年12月に続く2回目の開催で、今回は三菱電機様の多大なる協力をいただき、同社の共創スペース「Serendie(セレンディ) Street Yokohama」をお借りして実施しました。あいにくの天気にも関わらず、多くのアジャイル実践者・意思決定者が参加され、学びも交流も盛況となりました。
参加者からは、
などの声をいただきました。
普段接することができない、同業他社や異業種でアジャイルを推進し、同じような課題や悩みをお持ちの方と議論や交流ができたことに満足されている様子が伺えました。
Scrum Inc. Japanの内山遼子が「OODAループとScrum@Scale」というタイトルで講演しました。
OODAループとは、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐が提唱した「観察(Observe)・情勢判断(Orient)・意思決定(Decide)・行動(Act)」のプロセスから成る、変化に即応して高速に意思決定と行動を繰り返すためのフレームワークです。
ビジネスにおいても、組織が変化に即応し、OODAループを回すためには、ピラミッド型の階層組織ではなく、フラットでフラクタルな組織形態とアジリティの高い組織運営が求められます。その実践にはScrum@Scaleのフレームワークが有効であり、外部・内部環境を多方向から瞬時に状況を観察・判断し、組織として意思決定し行動し、そこから学びを得て観察するループを高速回転することの重要性を伝えました。
三菱電機の朝日宣雄氏(執行役員 DXイノベーションセンター長)と田中昭二氏(AI戦略プロジェクトグループ プロジェクトマネージャー)から、三菱電機社内での取り組みについて紹介されました。
朝日氏からは、「Serendie(セレンディ)」と名付けたデジタル変革の構想と取り組みについてのプレゼンテーションでした。
三菱電機として、売上達成を目的とする従来の製造業の形から、顧客価値を追求するソリューションプロバイダへの変革が必要だと感じたとのことです。この構想は、既存事業で蓄積したデータを次の事業に素早く活用し、事業と組織の変革を実現するためのもので、デジタル基盤としてのSerendiの概要だけでなく、推進する中での取り組みとして人財要件やスキルセットの見直し、成長の場の設計などについても触れられました。
また、変革の実現のために組織運営のフレームワークとしてScrum@Scaleを採用しさらに事業化スピードを加速させ、且つISO9001認証も取得されたとのことです。加えて、組織内での取り組みのリアルを共有いただき、参加者にとって大変参考になる発表になりました。
三菱電機の田中氏は「生成AIとアジャイル:組織変革を駆動する実践と課題」というテーマで講演しました
生成AIの活用に遅れれば経営危機につながり、日本は諸外国に比べて遅れているとの危機感から、三菱電機ではグループ全体で生成AIの活用に取り組み始めました。個人レベルの利用にとどまらず、組織全体の業務に適用することで業務効率を2.5倍に高め、開発リードタイムを半減させる成果を上げた事例が共有されました。
様々な課題を抱えつつも、業務部門と開発部門がOne Teamとして連携し、関係者全員にスクラム研修を実施すること、さらにテックリードの配置や、プロダクトオーナーの支援体制の整備により業務部門と技術の橋渡しを行う取り組みが紹介されました。今後も生成AIエージェントを活用し、社内全体の効率化を一層推進していくとのことです。
両者の発表後、参加者はグループに分かれて学びや疑問点を話し合いました。
三菱電機の事例紹介を受けて、朝日氏と田中氏に加えて、Scrum Inc.のCEO JJ Sutherland氏とコンサルティング事業チーフプロダクトオーナー Matt Jacobs氏の4名でパネルディスカッションを行いました。
議論では、日本企業におけるScrum導入の文化的課題や心理的安全性の重要性、階層的関係の解消、オープンなコミュニケーションの必要性が強調されました。また、大規模開発におけるコミュニケーション障壁の克服や、最適な運営モデルの継続的進化の重要性、目標や戦略の一貫性についても言及されました。さらに、生成AIをチームメンバーとして活用する可能性や、人間の意思決定を補完するツールとしての活用、プロダクトオーナーの役割の重要性も議論され、参加者は具体的な実践例や課題解決の手法を学ぶ機会となりました。
本編の最後で、Scrum Inc. Japanの山本尊人のファシリテートで、「今日の学びを活かして組織変革を通じて実現したい1年後の未来像として、その未来の状態がニュースで取り上げられたときのニュースヘッドラインを考える」というワークを実施。参加者それぞれが成し遂げたい未来を語り合い、その流れで始まった懇親会では、グループを越えた自由な会話が飛び交い、和やかで熱気あふれる時間となりました。
当イベントは、一方的にこちらから情報を発信するだけでなく、参加者同士が学び合い・高め合うコミュニティ(CoP:コミュニティ・オブ・プラクティス)を目指しています。業種や立場を超えて、より良い事業・組織・社会を構築していきたいとお考えのリーダーが集う場です。多くの参加者から「次回はいつですか?」との熱いリクエストをいただきました。次回の開催が決まり次第、ブログやメルマガ等でご案内します。
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