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JJ サザーランド×平鍋健児 緊急トップ対談 ビデオポッドキャスト「アジャイルは何のためにおこなうのか?国内外のアジャイルの今、AIと人との関わり方の未来」

2025.10.31

2025年9月、Scrum Inc. CEOのJJ サザーランドが来日し、永和システムマネジメント代表で日本のアジャイルエバンジェリストである平鍋健児さんが対談をおこないました。本記事では、その対談動画のとともに、主なトピックについて解説します。

動画とあわせてご覧いただくことで、対談で語られた「アジャイルの現在地」から「AI時代の人と組織のあり方」へと視座を広げて示唆を得られるでしょう。

トピック #1 日本は土台を整えるべきフェーズ、アメリカは組織のOSとして扱うフェーズ

「健児、また会えて嬉しいよ。」JJの一言から始まった対談。最初のトピックは、アメリカと日本それぞれにおけるアジャイル導入の現状について。平鍋さんは「日本では、アジャイルが理論的・手法的には広まっていても、文化・組織構造・意思決定プロセスなどの「土台」が整っていないために、実践・浸透が思うように進んでいない」と指摘します。一方で、JJが注目していたのは、アメリカで最近“アジャイル変革”を成功させている組織が「トレーニングやチームレベルの変革」だけではなく、組織の「オペレーティング・システム(組織構造・仕組み・経営モデル)」そのものを刷新する視点から変革を捉えているという動きです。いわば、アジャイルを「手法」から「組織のOS」として捉え、経営・人事・業務プロセス・ITインフラまでを巻き込んだ全体最適の変革として扱おうというトレンドがあると指摘していました。

トピック #2 生成AIとアジャイルの融合

話題はAIをはじめとするテクノロジーとアジャイルの交差点へと移っていきます。平鍋さんは、アジャイルが「変更・適応・学習」を価値とするならば、AIもまた「人・チーム・組織がどう学び、どう意思決定し、どう役割を変えるか」という問いを投げかける技術であると語ります。また、野中郁次郎さんが体系化したSECIモデル(下図を参照)を用いて、暗黙知と形式知の循環において、AIは表出化や連結化が得意で人は太刀打ちできないので、AIのスピードを活かしつつ、人間は暗黙知を生み出す領域で価値を発揮して全体としてアジリティを生み出すべきだと主張しました。JJは補足するように、アメリカの変革組織では「技術革新(特にAI)を“既存業務の部分最適化ツール”ではなく、“組織のOSを再設計するきっかけ”として活用する」という動きが広がっていることを紹介しました。

出典:https://dhbr.diamond.jp/articles/-/10440

トピック #3 アジャイルは何のためにおこなうのか?

JJは、ある建設会社において、品質管理の行程がボトルネックとなって納期に時間がかかり過ぎている課題を、アジャイルのアプローチで解決し、劇的な効果を生んだ事例が紹介しました。組織として戦略をどうやって迅速に実行するべきかという観点では、アジャイルはもはやソフトウエア開発に限ったものではなく、事業戦略から業務管理に至るまで幅広い課題解決に貢献していることが伝わる事例です。

トピック #4 アジャイルを組織に広げるには?何から始めれば良いのか?

JJは「まず、組織として何を達成したいのか?バックログは何か?優先順位は何か?」の問いが重要だと置いた上で「リーダー層や他の部門と話す必要がある。これをやりたいと言っている部門と話す必要がある。すべてはそこから始まる。」と力を込めて述べました。

あなたも、この変化の波を既存の枠組みに囚われず、未来を創造する「きっかけ」として捉え、人間中心で持続可能な社会をデザインする1人になりませんか?アジャイルとAIが織りなす新たな時代では、あなたの組織が、そしてあなた自身が、変革の担い手になれるはずです。

さあ、共に未来を切り拓きましょう。