
Scrum Inc.認定スクラムマスター研修を個別開催
課題・背景
トヨタの次世代の自動運転技術のソフトウェア開発にスクラムの採用を決定
会社全体でスクラムに取り組むため、研修を通じて、社員のマインドセットと知識レベルを揃えたい
スクラムについて正しい理解を得て、自動運転技術のソフトウェア開発に活用していきたい
スクラムの経験があり、今後TRI-ADのスクラムを牽引していくお二人に研修についてお話を聞きました。

左から、
TRI-AD Road Recognition, Automated Driving
Lead, Staff Engineer 松山 一郎(まつやま いちろう)様
TRI-AD Object Recognition, Automated Driving
Senior Engineer 橋本 大輔(はしもと だいすけ)様
以下、敬称略
スクラムの全社的な活用に向けて

松山:TRI-ADではスクラムを全社的に導入していく予定です。今回は、マネージャークラスが中心に研修を受けましたが、今後、継続的により幅広い職位の社員に研修を受けてもらう予定です。
これまで社内にスクラムを知っている人が少なくて、色々苦労をしましたが、今回の研修で、多くの同僚がスクラムの知識を得たことで、これから仕事がしやすくなるだろうと思っていて、それが凄く嬉しいです。今回の研修でスクラムやアジャイルの価値観をTRI-ADのみんなと共有できたに違いないと思います。
研修で学んだこと

橋本:スクラムを始めた頃は愚直に取り組んでいましたが、自分たちの考えで若干カスタマイズをしてきました。今回、もう一回頭を真っ白にして研修を受けたことで、スクラムの原点に立ち返って、自分たちのプロセス改善をしたいと思うようになりました。
例えば、横やり会議やルーチンの雑務などをバックログとしてこなしていけば一見ベロシティが出ているように見えますが、お客様に対する付加価値は生まれていません。今回の研修を受け、お客様視点のユーザーストーリーをバックログにし、チームとして、お客様にとって付加価値をもつ成果物にコミットすべき、という原点に立ち返らなければならないと再認識しました。
松山:スクラムは以前から知っていましたが、スクラムを組織全体にスケーリングするやり方(Scrum@Scale™)やバックログリファインメントのやり方を今回学びました。進化するスクラムの最新の状況がわかったのも、とても有意義でした。
スクラムを愚直にトヨタの次世代運転技術開発に生かしていく

橋本:過去にJiraなどのツールだけを使って上手くいかないからと言って、すぐにスクラムをやめてしまう人たちを見てきました。TRI-ADが今後、スクラムを全社的に実践していく中でも、新しいやり方に馴染めず、一部のプラクティスだけ取り入れて、その結果定着せずにやめてしまう恐れがあります。
しかし、講師の荒本さんが言っていたように、最初は自分を真っ白にリセットして、愚直に研修の内容に従って実践を行いながら、自分の体で覚えていく必要があると思います。そして、次に自分たちの頭で考えながら、自発的によいプロセスを作っていくことが最も大切だと思います。
松山:スクラムフレームワークの一部プラクティスしか取り組まなければ、スクラムは上手くいきません。今回の研修を聞いて改めて、”全部のプラクティスを実施する”ということを意識したいと思いました。
今回の研修には同僚や自分の上司も参加したので、上司の理解も得ながらスクラムのすべてのフレームワークを実践できると思います。
TRI-ADでは、研究と開発・量産をつなぐ、次世代運転技術を開発していくことになっており、スクラムを活用することがより重要になっています。
Scrum Inc.には、スクラムの実践や複数スクラムチームの連携に向けて、引き続き、トレーニングやコーチングの協力を得たいと思っています。